タウンプラス&GISの実施例
GISで、ターゲットエリアや顧客分布を地図上で見ることで、タウンプラス戦略が効果的に行えます。
ターゲットエリアの抽出…ドラッグストアの事例
東京都のドラッグストアA店は、販売促進を商圏1km内に毎週折込チラシを配布することで行っていた。しかし、最近は折込チラシにおけるレスポンスが低下しており、来店客の減少とともに売上も減少してきている。そこで、折込チラシではなく、訴求力の高いタウンプラスでの促進を検討しているが、どのエリアを重点的に配布したらよいかわからない。



A店のメインターゲットは、20~34歳の女性である。来店客の半数以上がこの層である。
この20~34歳の女性がどのエリアに多く住んでいるかを知りたい。

まず、自社店舗を中心に半径1kmの円商圏を描いてみる。
(図1-1)
この円の中にターゲットとなる20~34歳の女性はどの地域に多いかを見つけ出す。
国勢調査データから、ターゲットである20~34歳女性の分布を地図上に展開する(図1-2)。色が濃いエリア(町丁目)が20~34歳が多いことを意味する。

ターゲットは店舗から西側に多いことが判明。また、商圏外にもターゲットが多いことがわかる。このエリアには販促を仕掛けていない。
色の濃い町丁目には、タウンプラスを実施。また、商圏の設定が正しいかどうかを判別するために商圏外の色が濃い部分もタウンプラスで販促を行うことにした。
色の薄い店舗東側は、コストの安い従来どおりの折込チラシを実施する。

一人暮らし世帯の把握…レンタルビデオショップの事例
東京都のレンタルビデオショップB店は、新規会員獲得戦略を練っていた。定期的には折込チラシで販促を行っているが、この地域は若年層の一人暮らしが多く、この層は新聞定期購読を行っていない可能性がある。そのため、この層に対しては、タウンプラスで販促を行い、新規会員を増やしたい。




会員獲得率の弱い地域と、若年層の一人暮らし世帯が多い地域を把握したい。

まず、自社店舗を中心に地図を表示する(図2-1)。そこに、既存会員の住所を地図上に点で表示し、その点が包括されるように円商圏を描く(図2-2)。
そして、国勢調査データから、若年層の一人暮らしの世帯の分布を地図上に展開する(図2-3)。色の濃いエリア(町丁目)が若年層の一人暮らし世帯が多いことを意味する。

会員分布を見ると、店舗付近と店舗東側には会員が多く、店舗西側と南側は会員が比較的少ないことがわかる。
また、若年層の一人暮らし世帯は店舗の西側と南側に多いことが判明。
店舗西側と南側で円商圏内の色の濃い町丁目には、タウンプラスを実施。

※内容は平下治著「3日で分かるビジネスGIS特訓ドリル」から引用。
※この画像はアルプス社スタンダード道路地図と国勢調査を使用しMapinfoで作成。